空に手をかざした写真新入社員や新入学生が5月から6月くらいに発症しやすいと言われている「五月病」。

しかし、医学的にはこのような病名はありません。いわゆる俗語として用いられています。

症状としては気持ちが落ち込んだり、不安感、面倒臭いといったものから、肉体的には食欲が出ない、ひどい肩こりや頭痛などの症状が起こります。

普通、五月病と呼ばれるものは医学的には「適応障害」に分類されますが、一過性で時間の経過により良くなります。

しかし、五月病とよく似た症状で「うつ病」という病気があります。五月病の症状がなかなか良くならない、気分の塞いだ状態が続く場合にはとりあえず自己チェックをお薦めします。

単なる五月病かそれともうつ病なのか知ることがとても大切です。

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五月病程度かうつ病か調べるためのチェックシート

うつ病チェックを簡易抑うつ症状尺度(QIDS -J)を使って単なる五月病か?うつ病になっているのかチェックする方法をご紹介します。

もともと、五月病という病気はないので、五月病をチェックする正式な方法はありません。

そこで、五月病と症状が類似している「うつ病」のチェックシートを利用して自分自身が五月病やうつ病になりかけていないか調べる方法があります。

今回紹介する簡易抑うつ症状尺度(QIDS -J)は、16項目の記入式の自己評価により、うつ病の重症度を判断できます。

この方法は米精神医学会の診断基準であるDSM-IVの大うつ病性障害(中核的なうつ病)の診断基準に対応しており世界的に有名な精神科医ジョン・ロッシュ先生により開発され、世界で使用されている信頼できるものです。

日本語版は、慶応大学医学部により作成されました。

採点の方法
睡眠に関する項目(第1-4項目)、食欲/体重に関する項目(第6-9項目)、精神運動状態に関する2項目(第15、16項目)は、それぞれの項目で最も点数が高いものを1つだけ選んで点数化します。それ以外の項目(第5、10,11,12,13,14項目)は、それぞれの点数を書き出します。うつ病の重症度は、睡眠、食欲/体重、精神運動、その他6項目を会わせて9項目の合計点数(0点から27点)で評価します。原版QIDSでは、点数と重症度は下記のようになっています。

0~5点正常16~20点重度
6~10点軽度21~27点きわめて重度
11~15点中等度

QIDS-Jの使い方
各項目が大うつ病性障害の症状に対応しているので、うつ症状の評価やスクリーニングに使えるほか、合計点を算出することでうつ状態の変化を見ることができます。6点以上の場合にはうつ病の可能性がありますので、まず医療機関に相談してください。

日本語版自己記入式・簡易抑うつ症状尺度によるチェックシート(Quick Inventory of Depressive Symptomatology:QIDS -J)

①寝付き
0.問題ない(または、寝付くのに30分以上かかったことは一度もない)
1.寝つくのに30分以上かかったこともあるが、一週間の半分以下である
2.寝つくのに30分以上かかったことが、週の半分以上ある
3.寝つくのに60分以上かかったことが、(1週間の)半分以上ある

②夜間の睡眠
0.問題ない(夜間に目が覚めたことはない)
1.落ち着かない、浅い眠りで、何回か短く目が覚めたことがある
2.毎晩少なくとも1回は目が覚めるが、難なくまた眠ることができる
3.毎晩1回以上目が覚め、そのまま20分以上眠れないことが、(1週間の) 半分以上ある

③早く目が覚めすぎる
0.問題ない(または、ほとんどの場合、目が覚めるのは、起きなくてはいけない時間の、せいぜい30分前である)
1.週の半分以上、起きなくてはならない時間より30分以上早く目が覚める
2.ほとんどいつも、起きなくてはならない時間より1時間早く目が覚めてしまうが、最終的にはまた眠ることができる。
3.起きなくてはならない時間よりも1時間以上早く起きてしまい、もう一度眠ることができない

④眠りすぎる
0.問題ない(夜間、眠りすぎることはなく、日中に昼寝をすることもない)
1.24時間のうち、眠っている時間は、昼寝を含めて10時間ほどである
2.24時間のうち、眠っている時間は、昼寝を含めて12時間ほどである
3.24時間のうち、昼寝を含めて12時間以上眠っている

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⑤悲しい気持ち
0.悲しいとは思わない
1.悲しいと思うことは、半分以下の時間である
2.悲しいと思うことが半分以上の時間ある
3.ほとんどすべての時間、悲しいと感じている

⑥食欲低下
0.普段の食欲とかわらない、または、食欲が増えた
1.普段よりいくぶん食べる回数が少ないか、量が少ない
2.普段よりかなり食べる量が少なく、食べるよう努めないといけない
3.まる1日(24時間)ほとんどものを食べず、食べるのは極めて強く食べようと努めたり、誰かに食べるよう説得されたときだけである

⑦食欲増進
0.普段の食欲とかわらない、または、食欲が減った
1.普段より頻回に食べないといけないように感じる
2.普段とくらべて、常に食べる回数が多かったり、量が多かったりする
3.食事の時も、食事と食事の間も、食べ過ぎる衝動にかられている

⑧最近2週間での体重減少
0.体重は変わっていない、または、体重は増えた
1.少し体重が減った気がする
2.1キロ以上やせた
3.2キロ以上やせた

⑨最近2週間での体重増加
0.体重は変わっていない、または、体重は減った
1.少し体重が増えた気がする
2.1キロ以上太った
3.2キロ以上太った

⑩集中力・決断力
0.集中力や決断力は普段とかわりない
1.ときどき決断しづらくなっているように感じたり、注意が散漫になるように感じる
2.ほとんどの時間、注意を集中したり、決断を下すのに苦労する
3.ものを読むこともじゅうぶんにできなかったり、小さなことですら決断できないほど集中力が落ちている
⑪自分についての見方
0.自分のことを、他の人と同じくらい価値があって、援助に値する人間だと思う
1.普段よりも自分を責めがちである
2.自分が他の人に迷惑をかけているとかなり信じている
3.自分の大小の欠陥について、ほとんど常に考えている

⑫死や自殺についての考え
0.死や自殺について考えることはない
1.人生が空っぽに感じ、生きている価値があるかどうか疑問に思う
2.自殺や死について、1週間に数回、数分間にわたって考えることがある
3.自殺や死について1日に何回か細部にわたって考える、または、具体的な自殺の計画を立てたり、実際に死のうとしたりしたことがあった

⑬一般的な興味
0.他人のことやいろいろな活動についての興味は普段と変わ らない
1.人々や活動について、普段より興味が薄れていると感じる
2.以前好んでいた活動のうち、一つか二つのことにしか興味がなくなっていると感じる
3.以前好んでいた活動に、ほとんどまったく興味がなくなっている

⑭エネルギーのレベル
0.普段のエネルギーのレベルと変わりない
1.普段よりも疲れやすい
2.普段の日常の活動(例えば、買い物、宿題、料理、出勤など)をやり始めたり、やりとげるのに、大きな努力が必要である
3.ただエネルギーがないという理由だけで、日常の活動のほとんどが実行できない

⑮動きが遅くなった気がする
0.普段どおりの速さで考えたり、話したり、動いたりしている
1.頭の働きが遅くなっていたり、声が単調で平坦に感じる
2.ほとんどの質問に答えるのに何秒かかかり、考えが遅くなっているのがわかる
3.最大の努力をしないと、質問に答えられないことがしばしばである

⑯落ち着かない
0.落ち着かない気持ちはない。
1.しばしばそわそわしていて、手をもんだり、座り直したりせずにはいられない
2.動き回りたい衝動があって、かなり落ち着かない。
3.ときどき、座っていられなくて歩き回らずにはいられないことがある

【出典根拠】
厚生労働省ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/02.pdf

最後に

五月病というのは環境の変化と昼夜の温暖差が激しい5、6月に多く見受けられる症状です。

疲れやストレスなどから一時的に心身に不調を感じることは誰にでもあります。

しかし、このような不調が2週間以上続くような場合には、五月病かもしれません。

症状が長引く場合、うつ病になってしまう可能性もあるので注意が必要です。

定期的に自己チェックを行ってみて改善しないようなら、早めに医療機関に相談しましょう。

受診する診療科目は心療内科がおすすめですが、行きづらい人は、まず内科で相談してみては如何でしょうか?

症状に応じて、心療内科などの専門医を紹介してくれるはずです。

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