年金手帳

十分な収入がない学生にとって国民年金保険料の負担は重すぎます。しかし、支払いを放置したままだと将来的に損をしてしまう場合があります。

今回は学生納付特例制度を利用すればどういったメリットがあるのか?追納する場合のルールや追納金額および年末調整などの控除手続きなどについて紹介します。

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年金を学生が免除された場合のメリットは?

まず誤解しておられる方が多いので説明させて頂きますが、「学生納付特例制度」は、年金を学生が「免除」される制度ではありません。

あくまでも「猶予」されるものなので、勘違いしないようにしてください。(記事タイトル中に「免除」と記載しているのは、検索されている単語が「猶予」より「免除」の方が圧倒的に多いので、便宜上、免除といった文言を使用しているだけです。)

その点を踏まえて、読んで頂ければと思います。

なお、「学生納付特例制度」の対象は、大学、大学院、高等学校、高等専門学校、専修学校などで教育を受けている学生で、かつ、前年の所得金額の目安が、118万円+扶養親族等の数×38万円で計算した金額以下である必要があります。

なお、学生が年金の支払いを猶予申請し、承認されることで下記の2つのメリットが生じることになります。

メリット①受給資格期間に含まれるようになる

国民年金の受給要件のひとつに、「保険料の納付済期間が25年以上」といった要件があります。

つまり、最低でも25年以上は国民年金保険料を支払っていなければ年金は支給されません。

「学生納付特例制度」を利用して、国民年金保険料の猶予申請をして承認されると、国民年金保険料を支払っていなくとも、25年の納付期間に算入されるのです。

具体的に言えば、大学の1年~4年の4年間に毎年猶予申請し、それぞれ承認された場合、保険料の納付済み期間は4年間あるとみなされます。

ただし、この時点では実際には保険料を支払っていない訳ですから、年金額を計算する対象となる期間には含まれません。

こういった理由により、学生で経済的に苦しくて保険料が支払えない状態の場合、放置したままではなく、学生納付特例制度の申請はしておいた方が良いのです。

なお、年金猶予の申請を忘れた場合でも、2年1ヶ月前までは遡って申請することが可能です。

メリット②万が一の病気やケガなどの障害で一時金が出る場合がある

年金加入中に、万が一の病気やケガなどで一定の障害が残った場合には老後に貰える年金とは別の「障害基礎年金」といった一時金が支給されます。

障害基礎年金の平成28年度の金額は障害認定が一級の場合975,100円で二級の場合は780,100円となります。

学生納付特例制度を利用して、支払いが猶予されている最中に一定の障害が発生した場合、障害基礎年金が支給されますが、もし、猶予申請をせず、万が一、病気やケガなどで障害が残っても、障害年金を受け取れなくなってしまう場合がありますので、猶予申請はしておいた方が良いのです。

年金を学生が免除後に追納した場合の期間や金額は?

年金を学生が追納できる期間とは?

老後に満額の年金を受け取るためには40年の保険料納付期間が必要となります。学生が年金の猶予をされた場合、満額の年金は貰えなくなります。

しかし、年金支払を猶予された学生の中には、老後はより多くの年金を貰いたいと思っている学生もおられると思います。

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そういった学生のために10年内に遡って猶予された年金を支払う方法が「追納」です。

「10年内」とは、例えば平成29年の4月分の猶予された年金保険料は、平成39年4月末まで支払うことが可能となります。

追納することにより、将来貰える年金額を増額させることができます。

なお、追納できる期間は10年内が限度で、それ以上遡って追納することは出来ません。

年金を学生が追納する場合の金額はどうなる?

過去に学生納付特例の承認を受けた年度の保険料を平成28年度に追納する場合の額
年金の追納額表
引用元
日本年金機構ホームページ
URL:http://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150514.html

表を見てお分かりのとおり、過去2年分の年金を追納する場合には加算金はありませんが、3年目以降には加算金が発生しています。

ちなみに、3年前(平成25年度分)の加算金はひと月あたり、60円ですが、10年前の(平成18年度分)のひと月あたりの加算額はひと月あたり、1140円にもなります。各年の加算額は追納加算率により決定されます。

追納加算率とは、前年の各月発行の10年国債の表面利率の平均値です。

なお、追納は10年内の期間のうち、古い期間の保険料の方から納めていく決まりがあります。

仮に、平成28年度に追納する場合、10年前に猶予された平成18年度分の年金保険料からの支払いとなり、平成28年度の1年分を支払う場合の年金保険料は総額で15,000円×12ヶ月=180,000円となり、うち追納加算金は1,140×12ヶ月=13,680円となります。

年金を学生が免除後に追納した際の年末調整の控除方法

それでは、学生時代の年金保険料を追納した場合、どの様な税金控除手続きをすれば良いのでしょうか?自営業などで自分で手続きする場合と、会社員などの場合とに分けて説明します

自分で年末調整の控除手続きをする場合

国民年金の追納をした場合、その年に支払った国民年金の控除証明書と自分の収入証明書を添付して確定申告することにより税金が戻ってきます。

国民年金の控除証明書は毎年12月ごろにハガキで送られてきます。

しかし、追納を年末近くに行った場合にはハガキは送られてきませんので、追納した際の年金の納付書が控除証明書となりますので、それを添付するようにします。

なお、年金の控除証明書や年金の納付書を紛失した場合には、身分証明書を持参すれば管轄の年金事務所で再発行してもらえます。

会社員などで会社に年末調整をして貰う場合

会社員などで会社側に年末調整の書類を提出される方は「平成○○年分 給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」という毎年、年末に会社へ提出する用紙の右下にある項目の「社会保険料控除」の欄に追納額などを記載したうえで、年金の控除証明書を添付して提出すれば完了です。


まとめ

学生納付特例制度を利用することで受けられるメリットや追納などに関して紹介させて頂きました。

年金の支払いは学生にとっては負担が重く、放置しておられる方も少なくありません。

しかしながら、学生納付特例制度を利用しないと大変な損をしてしまう可能性もあります。

学生で、経済的に苦しく国民年金保険料を支払えない方は是非、学生納付特例制度を利用すべきだと思います。

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