インフルエンザの症状のひとつとして見られるのが「高熱」です。高熱が続く場合に処方されるのが解熱剤です。そこで、カロナールやイブプロフェンやロキソニンの処方に関しての情報や、薬が効かない場合の理由や禁忌薬とは何か?また、体温を下げる方法等を紹介します。
インフルエンザの解熱剤にカロナールって向いてるの?
インフルエンザの解熱剤としてのカロナール
解熱剤にはいろいろな種類がありますが、カロナールやアンヒバなどはアセトアミノフェンが成分のお薬で、高熱や頭痛の症状が見られる風邪やインフルエンザに多く使われています。
鎮痛作用や解熱作用がありますが、腫れなどを抑える作用が弱いので、炎症をともなう激しい痛みに対してはあまり向いていないかもしれません。
しかし、解熱剤の中では作用がおだやかで安全性の高いお薬ですので、小さなお子さんにも安心して服用させることが出来ます。
インフルエンザで一番のお薦めとされているお薬が、アセトアミノフェンなのです。
インフルエンザの解熱剤としてのイブプロフェン
イブプロフェンは「非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)」と呼ばれるお薬で、熱や喉の痛みを伴う風邪やインフルエンザに使われています。
比較的副作用が少ないお薬ですが、過去に鎮痛解熱剤の服用で喘息を発症した人には向いていません。
炎症を抑える作用はアセトアミノフェンよりも強いですが、特に小さなお子さんがインフルエンザで高熱が出ている場合にはアセトアミノフェンが一番安全と言われています。
インフルエンザの解熱剤としてのロキソニン
ロキソニンもイブプロフェン同様、「非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)」と呼ばれるお薬の仲間ですが、その中でもロキソニンは安全性が高く、かつ効き目も良いので多く使われています。
イブプロフェン同様、過去に鎮痛解熱剤の服用で喘息を発症した人には向いていませんので、注意が必要です。
炎症を抑える作用はアセトアミノフェンよりも強いですが、特に小さなお子さんがインフルエンザで高熱が出ている場合には、アセトアミノフェンを投与する方が一般的です。
インフルエンザだけど解熱剤が効かないのは?
インフルエンザの時解熱剤を飲んでも効かないのはどうして?
インフルエンザで高熱がある場合、薬を投与しても熱が下がらない場合が見られます。
その場合に考えられる理由として挙げられるのが「水分不足」です。小さなお子さんなどが発熱などで体内の水分が不足気味になると解熱剤が効きにくくなります。
また、体の免疫システムが強力に働いている場合(体温を上昇させることで、ウイルスや細菌をやっつけようとしている)においても解熱剤が効きにくい場合があります。
インフルエンザの時に高熱が出るのには理由があります
風邪やインフルエンザの時に熱が出ますが、これは、体の免疫反応により体温が上昇しているのです。
人間の体は、体温を上げる事でウイルスや細菌を死滅させようとしているわけですから、熱があるからといって、すぐ熱を下げようとする考えは間違いなのです。
それでは、どういった場合に解熱剤を使用すれば良いのでしょうか?一般的には、38〜38.5℃以上で、かつ、患者本人がつらそうな状態の時に使用します。熱があっても本人が元気なら、解熱剤は使用せず様子を見ましょう。
先程も言いましたが、発熱があるということは、体の免疫システムが働いている証拠ですので、患者が発熱により体力消耗して辛そうでないかぎり、解熱剤の投与は必要ないのです。
インフルエンザの解熱剤の禁忌薬とは?
今までいくつかの解熱剤を紹介してきましたが、インフルエンザによる高熱の場合に使用してはいけない禁忌薬というものがあります。それを、紹介したいと思います。
1.サリチル酸系医薬品
アスピリン・アスピリン・アスコルビン酸、アスピリン・ダイアルミネート、サリチル酸ナトリウム サザピリン、サリチルアミド及び、エテンザミドについて、15歳未満の水痘およびインフルエンザの患者に投与しないことを原則としています。
2. ジクロフェナクナトリウム
インフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学的研究及び病理所見、及びジクロフェナクナトリウムの薬理作用等からインフルエンザ脳炎、脳症を悪化させる恐れのある旨および15歳未満の水痘やインフルエンザの患者に投与しないことを原則としています。
3. メフェナム酸
薬事、食品衛生審議会医薬品等安金対策部会は日本小児科学会等の意見などから、小児にインフルエンザに伴う発熱に対して、基本的に投与しない旨が合意されています。
インフルエンザの熱を解熱剤以外で下げるには?
氷嚢やアイスノンなどで体を冷やす場合に、知っておいて頂きたいことがあります。
熱を下げるイメージとして、おでこを冷やしている画像が目に浮かびますが、その方法では体の熱をなかなか下げることは出来ません。熱を効率的に下げるには、太い血管が通っている場所に冷却材を当てる必要があります。
その場所とは①首の付根の横の部分②脇の下③足の付根の内側などです。高熱が続き解熱剤だけで心配な場合には、この3箇所を重点的に冷やすことにより、効果的に体温を下げることが期待できます。
まとめ
インフルエンザの特徴として高熱が出る場合が多々あります。特に小さなお子さんに高熱がみられた場合にはお母さんは心配でしょう。
今回の記事がインフルエンザによる高熱時において、解熱剤を使用する際の参考になれば幸いです。