ノロウイルスと牡蠣との因果関係はよく知られていますが、どういった理由でノロウイルスが牡蠣の中に存在しているのでしょうか?また、牡蠣を食べる場合の加熱時間や食べてから発症するまでの潜伏期間などについてもリサーチしました。
ノロウイルスは牡蠣になぜ住みつくの?
牡蠣を食べたことでノロウイルスに感染する人は後を絶ちません。しかし、牡蠣自体が生まれながらにノロウイルスを保有している訳ではないのです。
それではどういった理由により牡蠣がノロウイルスを保有してしまうのでしょうか?
まず、ノロウイルスに感染すると人間は嘔吐や下痢などの症状が起こります。
そして嘔吐物や下痢に含まれたノロウイルスは、下水処理施設を経由し河川へ排出されます。
下水処理施設では下水道の殺菌消毒処理を行ってから河川へ排出していますが、何らかの理由で死滅せずに河川へ流出するノロウイルスや河口付近で排出されたノロウイルスが海の河口付近に流れ出ます。
牡蠣だけに限らずあさりなどの2枚貝は河口などの浅瀬に生息しているので、そういったノロウイルスが牡蠣などの体内に侵入してしまうのです。これが、牡蠣がノロウイルスに汚染される原因なのです。
ノロウイルス予防のための牡蠣の加熱時間は?
そういった理由により、自分自身が海で採取した牡蠣を食べる場合には注意が必要です。生食は避けて焼いて食べるのがお薦めです。
ノロウイルスは熱に弱いので、牡蠣を食べる場合には牡蠣の中心部分が85~90℃の熱さになるようにし、1分30秒以上加熱するようにしましょう。
なお、スーパーでパック販売されている牡蠣の中には、RT-PCR法といった出荷前のサンプル試験を行ってから出荷されている牡蠣もあるようです。
いずれにしても、牡蠣を食べる場合には出来るだけ生食は避け、十分な加熱調理をしたうえで食べたほうが賢明です。
ノロウイルス感染の牡蠣を食べた時の潜伏期間はどれくらい?
もし、ノロウイルスを保有している牡蠣を食べた場合、症状が発症するまでにはどれくらいの潜伏期間があるのでしょうか?
実は潜伏期間には条件により幅があります。条件とは牡蠣が保有しているノロウイルスの量、感染した人の体調や年齢など様々あります。
しかし、一般的に多く見られる潜伏期間は、感染した牡蠣を食べてから1日~2日(24~48時間)程度だといわれています。
そして、潜伏期間経過後に嘔吐や下痢などの症状が発症する訳です。
ただし、感染しても発症しない人や風邪の軽度のような症状だけで済む場合もありますので、ノロウイルスに感染したと知らない内に治癒してしまう場合もあるのです。
まとめ
今回の記事を書くまでは、何故ノロウイルスを保有している牡蠣がいるのか分かりませんでした。
人為的な理由により牡蠣がノロウイルスに感染していたとは意外でした。
牡蠣やあさりなどの二枚貝を食べる場合には生食を避け、十分な加熱調理してから食べるのが安全策と言えそうです。