赤ちゃんの虫刺されにステロイド軟膏を使用して大丈夫なのか心配に思われるお母さんは多いのではないでしょうか?ステロイド軟膏は副作用が心配だと言われていますが、本当のところはどうなのでしょうか?今回は赤ちゃんが虫に刺された時のステロイド軟膏の使い方及び正しい知識をお伝えしようと思います。
赤ちゃんの虫刺されにはステロイド軟膏が効果的
赤ちゃんが蚊やダニに刺された場合には、刺されてから1日~2日ほどたってから患部が赤くなったり、かゆみが生じてきます。(赤ちゃんの場合は大人の場合と異なり、遅延型反応といって症状が遅れて出るのです。)
なぜ、患部が赤くなったり痒くなったりするのかというと、蚊などは血を吸うときに血液が固まらないようにするために唾液を人間の体へ注入します。
その唾液を人間の体は異物と判断し、皮膚が赤くなったり痒みが生じるような免疫反応、つまりアレルギー反応が起こります。
ステロイド剤はアレルギー症状を強力に抑制する効果があるので、虫刺されにはステロイド外用薬を使用すれば治りが早いのです。
しかし、副作用が心配で、赤ちゃんの虫刺されにステロイド軟膏を使うのをためらうお母さんが多いのも事実です。
ステロイドは本当に危険なのでしょうか?それではステロイド外用薬についてもっと詳しく説明したいと思います。
赤ちゃんの虫刺されにステロイドを使う場合の注意点
ステロイド外用薬は5段階の強さに分類される
ステロイド外用薬は次の5段階に分類されます。
上が一番強力で、下に行くほど副作用が少ないとされています。
・ストロンゲスト(一番強力)
・ベリーストロング
・ストロング
・マイルド
・ウィーク(一番弱い)
どのステロイドを使用するのかは症状などにより異なりますが、患部の場所によって使用するステロイドを決めるのが一般的です。
顔面や陰部などは血流が盛んであり、ステロイド外用薬の吸収率が高いため、マイルド以下のステロイドを用います。
特に赤ちゃんの顔につける場合には、ウィーククラスの1番弱いステロイドを使用するのが良いでしょう。
ちなみに、腕へステロイドを塗った場合の吸収率を10とすると、おでこ65、ほっぺた130、腕8.3、陰部420、足首4.2、頭皮35など、部位により吸収率が大幅に異なります。
ですから、ステロイドを使用する場合には、使用する患部によりステロイド剤の強弱を変える必要があります。
そのような理由により、赤ちゃんの虫刺されの箇所が腕や足の部分ならウィーククラスのステロイドよりマイルドクラスのステロイドを使用した方が良いのです。
なお、ステロイドを使用する場合にはステロイドの副作用について知っておく必要があります。
これから副作用について説明します。
赤ちゃんの虫刺されに使用するステロイドの副作用とは?
ステロイド外用薬の特徴は患部のアレルギー症状を強力に抑制するということです。
上手に使用さえすれば、虫刺されなどの症状はあっと言う間に完治してしまいます。
ただし、必要以上に強いクラスのステロイドを長期間使用した場合、副作用が現れる場合があります。
強いステロイドを長期使用していると、皮膚細胞の増殖が抑えられてしまうのです。
その結果、皮膚が生成されにくくなるので、皮膚が薄くなり皮膚の内部の血管が浮き上がって見えるようになります。
また、ステロイド外用薬はアレルギー症状を抑制するとともに皮膚の免疫力も低下させてしまう副作用があります。
ですから、ヘルペスや乳児のカンジダ症にステロイド外用薬を使用すると、免疫力が低下してしまい、症状が悪化する場合がありますから注意が必要です。
なお、ステロイド外用薬には上記以外の副作用もありますが、一番注意しなければならない副作用は上記で紹介した二つ「血管が浮き上がって見える」と「皮膚の免疫低下」です。
それ以外では重篤な副作用はほとんど見受けられことはないようです。
また、マスコミなどでステロイドの副作用を過剰に報道しているのが目に付きますが、ステロイドが恐ろしい訳ではなく、間違った使い方が悪いだけなのです。
赤ちゃんの虫刺されにステロイドを使う場合の目安は?
ステロイドの副作用の話をしてきましたが、日本皮膚科学会などにおいて、ステロイドの安全な使用量や期間について明確な基準が定められていないのが現実であり、実際にどの程度のステロイドの使用量で皮膚が薄くなる副作用が起こるのかは個人差もあることから明確な基準はありません。
具体的な使用基準がないか調べてみたところ、ある皮膚科の医師は、顔面や陰部ならマイルドクラスのステロイドなら月に5g、首から下の体(陰部は除く)ならストロングクラスのステロイドを月に50gまでを副作用が起きない目安としているようです。
この場合の目安量はあくまでも成人を対象としています。
赤ちゃんの虫刺されの場合におけるステロイド外用剤の使用目安としては、顔や陰部ならウィーククラスのステロイドを使用し、それ以外ならマイルドクラスのステロイドを使用するようにして、一週間程度の使用にとどめれば副作用が起きる心配は殆ど無いと思われます。
副作用を恐れて弱いステロイドを塗り続けるよりも、患部に見合う効果が期待できるステロイド剤を使用し、短期間で治すことがステロイド外用剤を使用する上で大切なことなのです。
使用期間は一週間程度を目安として、それでも良くならない場合には皮膚科医の診察を受けるようにしましょう。
なお、薬局などで市販されているステロイド外用剤の注意書きに「長期連用は避けましょう」記載されていますが、この「長期連用」の期間は二週間といわれています。
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まとめ
ステロイド外用剤というと副作用が心配で、赤ちゃんへ使用するのをためらうお母さんも多いと思われます。
しかし、正しい知識を持って使用すれば、効果的に虫刺されなどの症状を改善できるお薬ということがお分かりいただけたと思います。
ステロイド外用剤に対してあまりナーバスになること無く、適切に使用して頂ければと思います。