風邪をひきやすい人とひきにくい人との違いは?
寒くなると風邪をひく人が多くなりますが、それは何故でしょうか?
外的要因としては冬期は空気が乾燥して風邪の原因となるウイルスが繁殖しやすくなるということが挙げられます。
しかし、人によっては風邪をひきやすい人もいればほとんど風邪をひかない人もいます。
ということは、外的要因は同じなのにそのようなケースが見られるということは内的要因が違うためと考えられないでしょうか?
この場合の内的要因として一番考えられるのは人間が本来持っているはずの防御システムが弱くなっているのではないか?ということです。
健康な人間なら体内に侵入してこようとしているウイルスや細菌を途中で強力にブロックする機能が備わっています。
その代表的なものの一つが喉や気管支に張り巡らされている「線毛細胞」です。
線毛細胞が正常に働いているなら体内に侵入してきたウイルスや細菌を粘液で包んで、痰にして体外へ排出してくれます。
もう一つは「T細胞」と呼ばれるリンパ球です。体内にウイルスや細菌が侵入してくるとすぐさま、抗体を作って病原体を攻撃してくれます。
しかし、風邪をひきやすい人の中には、水分の摂取不足や食生活の乱れから栄養バランスが崩れて線毛細胞やT細胞が上手く機能していない場合が多いのです。
線毛細胞を活発化させるために必要なもの
それでは風邪をひきやすい人はどの様にすれば線毛細胞を正常に働かせることが出来るのでしょうか?
それには水分の補給が大切だったのです。
夏場と違い冬期は喉の渇きを感じづらくなるために、水分の補給が忘れがちになるのです。
ある実験の結果、湿度10%ほどの部屋で水を飲まずに120分過ごしたグループと同じ環境で水を飲んで過ごしたグループとの線毛活動の働きを確認したところ、線毛細胞の活動の違いに大きな差が見られたのです。
つまり、線毛細胞は乾燥すると粘液が失われるために活動が鈍ってしまうことが判明したのです。しかしながら、水を補給すればすぐに線毛細胞に水分が供給され線毛細胞が活発化するそうです。
ですから水分は風邪予防の飲み物と言っても良いのではないでしょうか?
それでは具体的にどのくらいの水分を補給したらいいのでしょうか?線毛細胞の活動を活発にするには一日で2~3Lの水分補給が理想的と言われています。
しかし、一日の食事の際に1Lほどの水分が摂取されているはずですので、積極的に摂らなければならない水分の目安量は1~2Lほどといえそうです。
(ただし、コーヒーや緑茶などの利尿作用のあるものは摂り過ぎに注意しましょう。また、医師に摂取する水分量を制限されている人は医師の指示に従って下さい。)
T細胞に活発に働いてもらうには
線毛細胞を元気にするには水分を定期的かつ必要量を摂るということが分かりました。
では次にT細胞に活発に働いてもらうにはどうするかということです。
実はT細胞を活性化するには亜鉛という必須ミネラルが大きく関係していたのです。
体内に亜鉛が不足するとT細胞が病原体やウイルスに対して上手く機能しないことが分かっています。
それどころか口内の唾液の分泌量にも影響すると言われていますので、亜鉛を摂取することで口内を乾燥から防ぎ、ウイルスや細菌の侵入を防ぐこともできます。
ところが、現代のコンビニの食事を利用する人が多い食生活では亜鉛は不足しがちなミネラルと言われています。
亜鉛はこれだけではなく糖代謝や味覚にも重要な役割を担っているのです。
ですから風邪予防としてサプリメントで亜鉛を摂取することをお薦めします。食生活が偏っている方はそれだけでも体質改善になり風邪対策になるはずです。
風邪のウイルスや細菌を体内に侵入させないことが一番
今まではウイルスや細菌が体内に侵入した場合を想定したお話をしてきましたが、一番望ましいのはウイルスや細菌を体内に侵入させないことです。
主な侵入経路は鼻と口になります。
感染者からの飛沫感染や感染者が触れたものを間接的又は直接的に触ってしまい、それで自分の口や鼻付近に触れてしまって感染する場合がほとんどです。
ですから、外出した場合、薬用石鹸で手をしっかりと洗うまでは手や指で自分の口や鼻周りに触れないことが非常に大切になります。
これを実践するだけで、かなり風邪に罹患する確率を低く出来るのではないでしょうか?
いずれにしても、風邪の時期には水分補給と亜鉛不足にならないように過ごして頂ければ風邪をひくリスクはかなり減らせると思います。
今まで風邪をひきやすかった方には是非試して欲しいと思います。